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第7回 拒絶査定から
2022/01/17
意見書での出願人の反論は2つの同日出願に対する特許法39条第2項の規定に基づく拒絶理由が通知されたことを前提とする内容と解されるが、先の拒絶理由(特許法39条第1項)の内容と乖離しており、採用できない。
翻訳例
It is assumed that the applicant’s counterargument given in the written argument in response to the previous Notice of Reasons for Rejection is directed to “double-patenting” between two applications filed on the same date under Article 39, paragraph 2 of the Patent Law, and accordingly, the counterargument did not respond to the previous Notice of Reasons for Rejection, which was directed to “first-to-file rule” between two applications filed on different dates under Article 39, paragraph 1 of the Patent Law. Therefore, the counterargument is not appropriate and cannot be accepted.
解説
直訳しても外国の出願人には理解しがたい。補足をすると、先の拒絶理由通知では(分割要件を満たさないために本件分割出願の出願日の遡及が認められないことの結果として)、異日出願間の同一発明に対する拒絶理由(39条第1項)が出されているのに対し、出願人は(親出願と分割出願との)同日出願間のダブルパテントに対して反論している。したがって、出願人の反論は審査官の先の拒絶理由には応えていないことになる。翻訳文としては原文から少し離れたとしても、日本の特許法にあまり知識がない出願人に対しどの程度わかり易く伝えるかが大切です。これ以外にも色んな回答案が作れます。