第40回 拒絶理由通知から

2023/06/01


請求項1には「長手方向の延びが・・・幅方向の延びの2倍に相当する」と記載されている。ここに、2倍に「相当する」と記載していることから、厳密に2倍であることを特定しているものではなく、「おおよそ2倍」のような意味であり、すなわち、ある程度の範囲幅に収まることを含んだり、ある程度のばらつきが発生することを許容したりしているものと推察される。
 しかしながら、この場合であっても、例えば「1.9倍から2.1倍の範囲内にある」のか「1.5倍から2.5倍の範囲内にある」のかといったように、どの程度の範囲幅までが「2倍に相当する」といえるのかが曖昧であり、不明確である。








翻訳例

Claim 1 describes “the longitudinal extension corresponds to twice the width extension of …”. In consideration of the phrase “‘corresponds’ to twice”, it is assumed that claim 1 specifies not “exactly twice”, but “approximately twice”. In other words, it is assumed that use of the term “correspond” suggests that the magnitude relationship between the extensions may be within a certain range or that variation is allowable to some extent.
However, even in this case, the extent represented by the phrase “corresponds to twice”, which may encompass ranges such as “in the range of 1.9 times to 2.1 times” or “in the range of 1.5 times to 2.5 times”, is vague and unclear.








解説

直訳しにくい翻訳例である。特に最終パラグラフは何を主語にするかで翻訳の難易度が左右される。

 

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