第55回 拒絶理由通知から

2024/09/02

「請求項1に係る発明と引用文献4に記載された発明とを対比すると、引用文献4に記載された発明の「吸音性壁下地材1」は、請求項1に係る発明の「部屋の内面(10)」に相当し、以下同様に、「吸音壁表面材2」は「第1のライニングシート(1)」に、「点状に付着した第2接着剤」は「接着剤ドット(2)」に、それぞれ相当し、両発明に差異はない。」









翻訳例

When the invention according to claim 1 and the invention described in Reference 4 are compared with each other, the “sound absorbing wall substrate material 1” of the invention described in Reference 4 corresponds to the “room inner surface (10)” of the invention according to claim 1, and likewise, the “sound absorbing wall surface material 2” and “second adhesive applied in a dotted pattern” respectively correspond to the “first lining sheet (1)” and “adhesive dots (2)”. Thus, there are no differences between the two inventions.




解説

このような言い回しは、審査官が引用発明と審査される発明との間でそれぞれの構成要素を比較対照する際によく用いられる。「以下同様に」の後に続く後半の対比部分は、日本語原文では構成要素ごとに一対一で対応させて記載されているが、上記翻訳例のように語順を変えて発明ごとに構成要素をまとめると訳し易い。また最後の「両発明に差異はない」を“there is no difference”ではなく、“there are no differences”と複数形にする点にも注意すべきである。英語では一つもない「ゼロ」の状態を常に複数形で表現するため、例えば、リンゴを一つも持っていない状態は、“I have no apple.”でなく、“I have no apples”となる。




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