第56回 明確性違反による拒絶

2024/09/17

「本願請求項10には「前記耐火セラミック粒子が、アルミナ、ムライト、シリカ、アルミノケイ酸塩、アルミノリン酸塩、ジルコニア、炭化物、ホウ化物、及び窒化物の中から選択された材料でできている」と記載されているが、本願請求項10が直接引用する請求項7及び9には、「耐火セラミック粒子」なるものが定義されておらず、請求項8を引用せずに請求項7または9を引用する場合に「前記耐火セラミック粒子」の意味するところが明確ではない。」









翻訳例

Claim 10 of the present application describes “the refractory ceramic particles are made of a material chosen from the alumina, the mullite, the silica, an aluminosilicate, an aluminophosphate, the zirconia, a carbide, a boride and a nitride”. However, claims 7 and 9, upon which claim 10 of the present application is directly dependent, do not define the “refractory ceramic particles”, and it is unclear what is indicated by “the refractory ceramic particles” when claim 10 is dependent on claim 7 or 9 without being dependent on claim 8.




解説

多項従属クレームにおいて先行詞の扱いに注意が必要な場合があり、最終的な読み手となる顧客を混乱させないように適切な翻訳表現が不可欠である。本例の場合、読み手が理解し易いように上記の日本語原文を二つの文章に分けると良い。翻訳者の好みに応じて、請求項の従属性に関する最後の部分については、さらに明確になるように訳を工夫してもよい。




PAGE TOP